研究概要 |
本年度は,以下の研究を行なった。 (1)前年度に引き続き、中世以降の仮名文書・仮名書状の画像データベース作成を行なった。『鎌倉遺文』『大日本古文書』所載の平仮名・片仮名文書を中心に、美術館図録などの影印・画像資料を収集・整理し、スキャナで読み込む等によりデジタル化した。また、テキストデータを作成し、画像データとリンクさせる作業を進めた。 調査対象資料は次のとおり(一部)。 藤原定家筆書状・明恵筆書状・後深草天皇宸翰仮名消息・後小松天皇宸翰消息・後花花園天皇宸翰女房奉書・正親町天皇宸翰女房奉書・後陽成天皇宸翰女房奉書・後陽成天皇宸翰消息・後伏見天皇宸翰女房装束覚・伊予国弓削島荘所当注文・加治木頼平替銭請文案・たまかき書状并備中国新見荘代官祐清遺品注文・寺内落書・門ワキンセアミ田地作職売券・藤原為家自筆譲状・藤原為氏自筆譲状・三条西実隆自筆仮名消息・宗祇自筆書状・渋谷定心置文・平忠俊譲状・地蔵菩薩坐像像内納入文書ほか (2)仮名書状の書記スタイルについて、分析・考察を行なった。 (2-1)字母選択や改行、連綿など、表記のありようと、書記スタイルとの関連について分析を行なった。また、同様の観点から11世紀以前の仮名文書との比較を行なった。 (2-2)漢字仮名交じり文書における書記スタイルについて、仮名文書との比較・分析を行なった。また、同様の観点から、11世紀以前の仮名文書との比較を行なった。 (2-3)平仮名文書・片仮名文書の書記スタイルの比較、また、漢字平仮名まじり文書と漢字片仮名交じり文書との比較を行い、表記体系の異なりと書記スタイルとの関連について分析・考察を行なった。 (2-4)漢文文書との書記スタイルの比較を行なった。
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