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2006 年度 実績報告書

時の副詞の解釈と時制・相意味論-英語・ドイツ語・日本語の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 17720117
研究機関弘前学院大学

研究代表者

楠本 紀代美  弘前学院大学, 文学部, 准教授 (50326641)

キーワード時の副詞 / until / 取り立て / 「まで」
研究概要

本研究の目的は、英語、ドイツ語、日本語における様々な時の副詞(句、節)の解釈を比較し、その類似および相違点がどこまで英語vs日本語・ドイツ語というスキーマに当てはまるかを検証し、またその違いが時制・相の体系のどのような違いに由来するかを明らかにすることである。本年度は、日本語の「まで」の特殊性に着目し、時の解釈を受ける「まで」に加え、空間解釈(「東京まで」等)や順列解釈(「3番目まで」)を受ける「まで」の意味や統語環境を考察した。これらの意味には共通点が見られるが、それを形式意味論的に捉えるには従来の「まで」の意味論では不可能であると論じた。そして「まで」を文の焦点に影響を受ける尺度不変化詞と定義しその意味を提案した。(University of Carolina, Spring Colloquiumで発表。)この理論は、時・空間解釈の「まで」(格助詞の「まで」)を取り立ての「まで」と同等に扱うことを意味し、歴史的に2つの「まで」を」区別してきた日本語学の見地からも興味深い結論と言える。ドイツ語bisは時・空間の両方の解釈を持つ点で「まで」との類似が見られるが、順列解釈など統語的項の位置にあらわれることはない。このことから、bisは文法的には前置詞とみなされ、日本語の「まで」と同様に取り立ての不変化詞と扱うことには一見不都合があるように思われる。しかしuntilを尺度不変化詞に類する意味的範疇として扱う試みはすでになされており、ここに意味論と統語論の不均衡が見られる。今後の研究ではこの2つのずれの意味を探って行くことにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Until in English and Japanese2007

    • 著者名/発表者名
      Kiyomi Kusumoto
    • 雑誌名

      Japanese/Korean Linguistics 15

      ページ: 405-415

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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