研究概要 |
1.本年度は現場教師と連携し,実際の現場において本システムの利用を通した評価を行うと同時に,その本システムを利用した音声教育実践の検討と分析を行ってきた。その結果,日本語教育の現場では本システムを組み込むような音声教育のためのコース・デザインがほとんどない現状が明らかになった。そのため,メインとなる日本語コースとは別の個別指導場面における利用例が多く,計画的,継続的,体系的な指導場面での評価が得にくい状況にあった。そこで,本システム中の使用機能を固定した上で,現場での使用目的を会話,スピーチ,聴解,発音などのコースで,個別あるいは全体のクラス形態で,学習者が聞き取れない対象,学習者自身による自己評価が低い対象などについて,本システムによる支援場面を主にデータ収集し,分析する方向で進めていくこととした。 2.前年度に引き続き,日本語音声教育を中心に他の外国語音声教育も含め,関連する先行研究や実践報告,音声データベース,CAI(Computer Assisted Instruction),CALL(Computer Assisted Language Learning),CSCL(Computer Supported Collaborative Learning),音声分析ソフトなどを収集した。そして,音声教育へのコンピュータ利用可能性の観点から現状と問題点を整理・分析することを通して,本システムの評価を行った。
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