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2006 年度 実績報告書

児童言語コーパスの語彙頻度解析に基づく小学生用の発信型英語基本語リストの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17720135
研究機関神戸大学

研究代表者

石川 慎一郎  神戸大学, 国際コミュニケーションセンター, 助教授 (90320994)

キーワード語彙表 / コーパス / 小学校英語教育 / 頻度
研究概要

本研究では,小学校における英語教育の展開を見据え,日本人小学生に必要な英語語彙の新しい基準として,コーパスに基づく「KUBEE1850」という英語語彙表を開発した。近年,コーパス準拠の語彙表開発は決して珍しくないが,KUBEEの特徴は,日本人小学生というユーザー属性をふまえ,英語と日本語からなる独自の複合コンポーネント型コーパスを構築し,そこから得られた頻度データを活用して語彙選定を行ったことにある。
英語コーパスについては,児童の語彙受容と語彙産出の両面に配慮し,(1)英米の児童文学,(2)米国の小学校教材,(3)日本の中学校英語科教科書,(4)英国のローティーンの発話という4種類のデータ(145万語)を収集・整備した。日本語コーパスは,(1)日本の小学校教科書(全科)と,(2)小学生による日本語作文から構築した(20万語)。最後に,英語コーパスに基づく基本語リスト(ベースリスト)と,日本語コーパスに基づく対訳基本語リスト(補完リスト)を照合し,補完リストにのみ現れた語をベースリストに追加して,最終的に約1,850語からなる語彙表を得た。
KUBEEには,これまでの児童用語彙表にはなかった「生活語」「感情関連語」「日本文化関連語」などが豊富に収録されている。これらの多くは日本人児童を中核とする周縁環境の語彙であり,児童が英語で自然なコミュニケーションを行う上でとくに有用性の高い語彙と言える。
本研究により,児童学習者を対象とする重要語選定における新しい方法論を確立・提示することができた。また,KUBEEの全データはインターネットで公開しており,研究者のみならず,小学校をはじめとした指導現場で注目・活用されている。今後はさらにデータの精選を行うと同時に,KUBEEに基づく学習教材の開発を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コーパス高頻度語データにおける頻度分布の切断にする相関行列の頑健性について-多変量解析を用いた言語コーパスのポジショニングを例として-2007

    • 著者名/発表者名
      石川慎一郎
    • 雑誌名

      日英語の基本語抽出における統計手法の研究(統計数理研究所共同研究レポート) 199

      ページ: 49-60

  • [雑誌論文] 多変量解析を用いた英語基本語抽出の試み : 主成分分析,因子分析,コレスポンデンス分析の応用可能性2007

    • 著者名/発表者名
      石川慎一郎
    • 雑誌名

      日英語の基本語抽出における統計手法の研究(統計数理研究所共同研究レポート) 199

      ページ: 27-48

  • [雑誌論文] L1/L2コーパスの解析に基づく児童英語教育のための語彙マテリアル抽出システムの開発-小学校英語教育のための語彙選定の視点-2007

    • 著者名/発表者名
      石川慎一郎
    • 雑誌名

      中部地区英語教育学会紀要 36

      ページ: 317-324

  • [雑誌論文] 英語教育のための基本語をどう選ぶか : コーパス言語各からの視点2007

    • 著者名/発表者名
      石川慎一郎
    • 雑誌名

      英語教育(大修館書店) 55, 13

      ページ: 10-12

  • [図書] English Lexicography in Japan2007

    • 著者名/発表者名
      S.Ishikawa, Y.Tono, M.Murata, K.Minamide (Eds)
    • 総ページ数
      326
    • 出版者
      Taisyukakan Shoten

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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