外国語学習者のリスニング力を測定する手段として、リコール(筆記再生法)を用いた国内外の研究を概観した。使用されている分析単位はアイデア・ユニットが最も多く、続いて命題、ポーズ・ユニット(あるいはトーン・ユニット)という結果になった。しかし残念ながら、リスニング・プロセスと関連づけてそれぞれの分析単位を用いることの妥当性に言及している文献はなかった。従って本研究の必要性を改めて確認する結果になった。 また各分析単位の定義に基づいて、マテリアルを分割する実験協力者を数名確保することができた。分析単位の定義の中には、実際のテキストを照らし合わせた時に判断が困難になるものがあるので、この作業は本研究の目的遂行のために必要不可欠である。 最後に来年度、実験で使用する数種類のマテリアルの選定を行い、テキスト音声の編集作業が完了した。同時に被験者のリスニング能力を測定する多肢選択式のリスニング・テストの準備も完了した。
|