本年度の目的は、予備調査で得られたデータを補助金で購入した統計ソフトで解析し、中間報告を各学会等で口頭発表やポスター発表などの形式で公表することであった。さらに、研究終了年度である来年度に本調査の結果を公表できるようにデータの基本等計量をまとめ、各学会の大会に研究発表の応募をすることであった。 予備調査で得られた有効データの総数(調査参加者)は422名(男性データのみ)であった。各調査参加者について、目標志向性や学習観、不安、学習方略等の尺度得点を得て、それらの基本等計量を算出し、さらに共分散構造分析で、仮定したモデルとデータとの整合性を検討した。結果、目標志向性から学習観、さらに学習方略へという一連の流れのパスを含むモデルとデータとの間に比較的よい適合度を得た。本結果は、中間報告として、国内(社会言語科学会第18回大会)及び海外(Joint AAAL-CAAL/CAAL2006)にて発表された。 本調査で得られた有効データの総数(調査参加者)は390名(男性:281、女性:109)となった。本調査では予備調査で実施した質問紙の他、中学入学以前の英語教育歴や海外留学歴などの変数を質問に含めた。予備調査同様に、基本等計量を算出した後、カテゴリカル回帰分析により、過去経験がその後の英語学習にどの程度影響を及ぼしているか検討した。結果として、中学入学以前の国内での英語学習経験よりその後の留学経験の方が、英語学習(学習方略)に大きい影響を及ぼしていることがわかった。この結果は、来年度に大学英語教育学会(JACET2007)で発表することが決まっている。
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