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2007 年度 実績報告書

出版宗教本にみる19〜20世紀前半におけるインドネシアのイスラーム思想展開

研究課題

研究課題/領域番号 17720174
研究機関天理大学

研究代表者

菅原 由美  天理大学, 国際文化学部, 講師 (80376821)

キーワード思想史 / 宗教学 / 出版 / イスラーム / 近代 / インドネシア
研究概要

1.大英博物館での調査
(1)ジャウィ(マレー語)で書かれたキターブが予想以上に多く保管されていた。しかし、多くがまだコンピューター入力されていないため、書庫での調査が必要であることがわかった。
(2)アラブ問題政府顧問スヌック・フルフローニェの協力者であるサイード・ウスマンが執筆・出版したキターブのコレクションを発見した。ウスマンは、19世紀後半、バタビアで、アラビア語のキターブを、より一般向けにマレー語に翻訳・編集し、出版していた。ウスマンが選び・翻訳したアラビア語のテキストから、彼が民衆に伝えようとしたイスラーム思想の特徴がわかる。彼は、民衆が「正しいムスリム」になるように指導することによって、オランダ領東インド内の秩序を保とうとしていた。
(3)ボンベイ出版のジャウィのタフシール(コーラン解説)を発見した。現地語のタフシールは種類が少ないため、非常に珍しい。また、タフシールの完全版であるため、非常にページ数が多い。装丁がしっかりした、このような本が出版可能であったほど、ボンベイではジャウィおよびペゴンのキターブの印刷がさかんにおこなわれていたことがわかった。
2.ライデン大学での調査
(1)KITLVにキターブ・コレクションがあることは有名であるが、大学附属図書館にも、古い年代のキターブが数多くコレクションされていることがわかった。
(2)ボンベイ出版だけでなく、中東で出版されたペゴン(アラビア文字ジャワ語)のキターブを発見。ジャウィだけでなく、ペゴンも中東でかつて出版されたことがあることがわかった。ペゴンの代表的著者ソレ・ダラット以外に、彼同様スマラン出身の執筆者の本が中東で出版されていた。ジャワ語本需要が中東でも、マレー語同様に存在していたことが明白になった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] キターブ・クニン-東南アジアで学習されるイスラーム学教科書2007

    • 著者名/発表者名
      菅原 由美
    • 雑誌名

      歴史と地理-世界史の研究 213

      ページ: 30-37

  • [学会発表] ペゴン出版本の歴史にみるジャワのイスラーム受容2007

    • 著者名/発表者名
      菅原由美
    • 学会等名
      文部科学省・ニーズ対応型地域研究推進事業『東南アジアのイスラーム(ISEA)』第三回総合ワークショップ
    • 発表場所
      東京外国語大学
    • 年月日
      2007-12-15
  • [学会発表] Kitab Jawa: Islamic Textbooks Written in Javanese(Pegon)2007

    • 著者名/発表者名
      SUGAHARA Yumi
    • 学会等名
      Symposium of Bangsa and Umma: a comparative study of people-grouping concepts in the Islamic areas of Southeast Asia
    • 発表場所
      上智大学
    • 年月日
      2007-05-12

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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