本年度は日本国内の金属製容器実測等資料化作業と出土遺跡関連文献収集、新資料情報収集を中心に行なった。九州、中国、近畿地方については資料化作業がほぼ終了しているため、出土遺跡周辺関連遺跡文献の収集を行なった。本年度の資料化作業は山口県の濡田廃寺、見島ジーコンボ古墳群で、島根県の上塩冶横穴墓群、大座西2号墳で、鳥取県の黒本谷古墳で、静岡県の須津大塚古墳、西畑屋遺跡、中石田宮下古墳、萩ヶ谷A2号墳、翁山13号墳、賤機山古墳、宗小路19号墳で、山梨県の寺の前古墳、狐塚古墳、大原遺跡、稲荷塚古墳で、神奈川県の総世寺裏古墳、坪ノ内・宮ノ前遺跡、宮ヶ瀬遺跡、用田南原遺跡、浄元寺裏1号横穴墓、日向3号横穴墓、岩井戸横穴墓群で、千葉県の油井古塚原31号墳、高岡大山遺跡、嶺岡東上牧遺跡、新堀1号横穴墓、殿塚古墳で、宮城県の壇の越遺跡、川北横穴墓群、山王遺跡、大年寺山横穴墓、今熊野遺跡、高崎遺跡、市川橋遺跡で行い、山陰、東海、南関東地方と東北地方の一部について行なった。同時に資料化作業を行なった容器出土遺跡周辺の関連遺跡文献収集も行なった。朝鮮半島出土例については関連研究集会に参加し情報収集を行なった結果、出土遺跡名はほぼ把握し、文献収集を続けている。来年度は残された日本の地方と朝鮮半島について資料化作業を行なう予定である。また、実測図のデジタルトレースを逐次行ない、デジタル写真、観察結果、参考文献などついてデータ入力を行い、データベース作成前段階の基礎作業も行なっている。金属製容器模倣土器資料については大阪府陶邑窯TG63-1号窯、KM3号窯、TG206号窯、TG40-III号窯、KM301号窯、KM131号窯、KM35号窯、MT220号窯において出土していることを確認した。地方についても検索中である。
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