本年度は日本国内及び韓国の金属製容器実測等資料化作業と出土遺跡関連文献収集、新資料情報収集を中心に行なった。資料化作業は、東京国立博物館所蔵の福島県蝦夷穴古墳、群馬県五霊神社古墳、前橋市総社町付近、栃木県足利公園麓古墳、埼玉県小見真観寺古墳、千葉県鶴巻塚古墳、静岡県中山古墳、清水公園古墳、石川県高畠経塚古墳、三重県保子里車塚古墳、上村古墳(志島10号墳)、奈良県三番双古墳、兵庫県神戸市垂水区長谷光松、鳥取県谷奥所在古墳、山口県糘塚横穴墓群、佐賀県島田塚古墳出土の銅製容器、及び徳川頼貞寄贈銅製容器について行った他、東京大学所蔵の群馬県(伝)諏訪神社北古墳の東の古墳、房子塚古墳、埼玉県埼玉将軍山古墳、山梨県(旧)北巨摩郡日野春村日野原、静岡県(旧)安倍郡、韓国水精峯2号墳出土の銅製容器、及び群馬県(旧)群馬郡瀧川村佐藤錠太郎氏寄贈銅製容器について行った。また、各地の福島県富士見山横穴墓群、筑内37号横穴墓、錦木塚古墳、高松1号墳、中田横穴墓、東京都大和田1号横穴墓(饅頭屋穴横穴墓)、愛知県姫塚古墳(北ノ谷2号墳)、大阪府奉献塔山1号墳、岡山県荒神西古墳、殿田1号墳出土の銅製容器についても資料化作業を行った。これまでに茨城県、群馬県、埼玉県、長野県に一部所在する資料を除き、主な日本国内出土例の資料化を達成している。金属製容器模倣形態土器については、大阪府平野・大県第20支群第3号墳、韓国玉峯7号墳出土例の資料化作業を行った。また、韓国法泉里遺跡の青銅蓋、法泉里1号墳の青銅焦斗、プジャン里遺跡の鉄製焦斗、武寧王陵の銅鏡・銅皿・銅匙・銅箸・銀托・青銅熨斗、慶州壺杵塚古墳の青銅盒、飾履塚古墳の青銅焦斗・青銅鳥形鈕盒・異形青銅壺、金冠塚古墳の青銅有蓋壺、風納土城の青銅焦斗、金海大成洞古墳の銅腹、益山弥勒寺址の青銅瓶等の見学も行った。
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