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2006 年度 実績報告書

弥生・古墳時代における日韓墳墓出土鉄製武器の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 17720211
研究機関独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所

研究代表者

豊島 直博  独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (90304287)

キーワード弥生時代 / 古墳時代 / 鉄製武器 / 鉄刀 / 鉄剣 / 鉄ヤリ / 原三国時代 / 三韓時代
研究概要

研究の2年目に当たる今年度は、まず日本における鉄刀の装具について論文をまとめ、雑誌に投稿した。また、日本と韓国南部の刀剣装具とヤリについて広く資料調査をおこない、実測図を作成した。
調査の結果、古墳時代前期の鉄剣の把は大きく4型式に分類できることが分かった。ヤリもまた、鉄本体への柄の装着方法によって4型式に分類できる。型式の差は時期差を反映し、鉄剣とヤリを手がかりにすれば弥生時代終末期から古墳時代中期前葉の墳墓を編年できることを明らかにした。また、日本では装具に地域性が認められず、特定の地域で装具を取り付けた刀剣類が広く列島に流通したと考えられる。しかし、鉄本体の形は多様であることから、鉄本体の入手、装具の装着、製品の配布という刀剣類の流通体制を推定することができた。
いっぽう韓国の刀剣類については、鉄本体の形こそ日本の刀剣類と共通するものの、装具の形と製作技法はまったく異なることが判明した。この事実は、鉄本体のみが日本へ流通し、装具は韓国と日本で個別に製作、装着されたことを意味すると思われる。つまり、古墳時代の成立においては、舶載鉄器の入手と再分配が大きな意味をもつのではないかという展望をもつに至った。
来年度はまず日本と韓国で補足的な資料調査をおこなう必要がある。さらに、剣とヤリについて個別に論文をまとめたうえで、報告書を作成する予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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