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2005 年度 実績報告書

インド・ゴア社会の大衆演劇「ティアトル」をめぐる実践と共同性の文化人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17720229
研究機関奈良大学

研究代表者

松川 恭子  奈良大学, 社会学部, 講師 (00379223)

キーワード文化人類学 / 大衆劇 / ティアトル / ポピュラー音楽の流通 / インド / ゴア
研究概要

本年度はゴア社会の大衆劇「ティアトル(tiatr)」の流通と消費の実体を明らかにするために2回の現地調査を行った(平成17年8月13日〜9月13日、12月15日〜31日)。
第一回目の調査では、アマチュアのコンテストに参加するティアトル劇団の脚本兼演出担当者と俳優にインタビューを行うとともに、その劇団の練習過程を参与観察した。この作業によって、ティアトルを実践する人々の社会的属性や社会の要請から何をくみ取って劇にメッセージ性を付与していくかというティアトルの社会的位置づけについての知見を得ることができた。ミュージカル劇の体裁を取るティアトルの幕間で歌われる挿入歌のカンタール(kantar)は、インド映画の挿入歌と同様の形で、ポピュラー音楽としてカセットテープやCDの形でも人々に消費される。ゴアの最初のレコード店(現在はカセットテープ・CD・ヴィデオCD(VCD)・DVDを販売)であるV.P.シナリ(Sinari)で販売されるカンタールのカセットテープ・CDとここ2、3年で出てきたティアトルの舞台映像を編集したVCDのリストを作成した結果、急速にティアトルのデジタル化が進んでいることが明らかになった。ティアトルの主要な観客であるゴアのキリスト教徒の多くが出稼ぎに出ている中東の国々(サウジアラビアやアラブ首長国連邦)では、ティアトルのVCDに対する受容が高い。だが、CDやVCDは海賊版の作成が容易であり、オリジナルの販売量が減っているという問題の存在がある。
第二回目の調査では、近年ゴアの現地語コーンクニー語のローマ字筆記を公用語として政府に認めさせる運動にティアトリスト(ティアトルの脚本を書くとともに演じる人々)たちが関わり始めた状況に調査の焦点を絞った。現地語のローマ字筆記は、キリスト教会で主に使用されてきた。ティアトルがゴアのキリスト教徒を受容対象としていることが、この点からも明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 映画における場所イメージの構築と観光戦略-インド・ゴア州の場合-2006

    • 著者名/発表者名
      松川 恭子
    • 雑誌名

      奈良大学紀要 第34号

      ページ: 149-162

  • [雑誌論文] The Formation of Local Public Spheres in a Multilingual Society : The Case of Goa, India2005

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Matsukawa
    • 雑誌名

      The Journal of the Japanese Association for South Asian Studies (南アジア研究) 第17号

      ページ: 109-136

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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