平成19年度は、利尻町、利尻富士町、奥尻町において北海道漁業協同組合連合会女性部による「お魚殖やす植樹運動」の実践に関する調査を実施した。また、奥尻町では合わせて「北の魚つきの森」認定事業の実践に関する調査も行った。 運動開始から現在に至るまでの活動状況、植樹後の苗木の生育状態と苗木の具体的な管理問題、各地域の沿岸環境・水産資源・人間活動の結び付きに関する基礎的情報を記録した。 両運動は「魚つき林の育成と保全」を通じて地元の森林や沿岸・河川環境の回復を主たる目的とした運動である。生産・生活の場としての海を理解すること、植樹の実践と沿岸環境・資源の回復を結びつけて理解することを狙いとして植樹を実施している。魚つき林育成が資産形成を目的とするものではなく、かつ結果がすぐに目に見える形で現れるものではないだけに、海と森林との結び付きに関して、特に漁業関係者が蓄積・伝承してきた経験知や伝承を現在に伝える具体的な環境教育の実践が必要である。
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