研究概要 |
本研究では中国東南地域,台湾,南島の各地域間での在来亀甲墓の比較検討と,日本に特徴的とされる塔式墓の南島,台湾への波及を中心に精緻な調査を実施した。また,台湾における戦後の塔式墓を考える上で,外省人の故地である大陸の,亀甲墓以外の墓標の形態についても比較調査実施した。これらのことから,各地域間の墓標形態の系譜と融合について,明らかにしようとすることを目的とした。 本年度,海外調査は,2007年5月に中国福建省福州市・霞浦県,11月に台湾桃園県・新竹県でそれぞれ共同墓地調査実施し,葬送形態や墓標の製作工程についても調査をおこなった。 国内調査は,4月に横浜市華人墓地調査,6月月に函館市華人墓地調査を,8月に福岡県二丈町において納骨堂と旧共同墓地の調査,2008年1月に鎌倉市でやぐらの調査,2月に沖縄県石垣市で台湾系共同墓地の調査をそれぞれおこない,これらの成果を踏まえた報告書を2008年3月に刊行した。
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