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2006 年度 実績報告書

伊島潜水漁民の出稼ぎ・移性に関する民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17720239
研究機関徳島県立博物館

研究代表者

磯本 宏紀  徳島県立博物館, 人文課, 学芸員 (50372230)

キーワード器械潜水漁 / 伝播 / 伊島 / 出稼ぎ・移住 / 漁民移動 / 季節労務 / 民俗学
研究概要

本研究は、徳島県阿南市伊島を根拠地とした漁民が、器械潜水技術を用いて出稼ぎ・移住をすることにより展開された漁民移動と、それにともなった文化伝播の一端を解明しようとするものである。
本年度は、主として(1)現地調査、(2)文献調査によるアプローチを試みた。(1)では、岡山県倉敷市大畠、香川県高松市男木島、女木島、兵庫県神戸市、大阪府岬町深日において現地調査を行った。器械潜水漁を行う漁民から港湾工事等へ転換する過程と、出稼ぎをした伊島漁民の親族関係に係るネットワークに重点をおいて調査を行った。(2)では、昨年度に引き続き戦前期の朝鮮半島出漁関連資料とともに、戦後瀬戸内海出漁時の記録も含めて収集した。
引き続き資料収集と検討を行っていくが、現時点で以下のようにまとめることができた。
1)伊島漁民は潜水夫として出漁地に漁業技術をもたらしたが、出漁地で器械潜水の技術が受容されると必要とされなくなり、潜水夫としての出漁先を失った。
2)出漁者は親族中心の同郷者集団に継承されることにより、連続した出漁地との関係を一定期間維持し、工事潜水に至っても同郷者集団を母体とした組合を組織した。
3)その年の出漁期間を終えると、多くの出漁漁民が伊島へ帰郷し、春の祭りに加わり、秋祭りを終えた後出漁した。こうした出漁サイクルにともなって伊島の年中行事が再構成され、大きな影響を受けたものと考えられる。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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