環境マネジメントシステム(EMS)の政策手法としての位置づけについて、第二次環境基本計画が規定する政策手法の分類に沿って整理するとともに、他の政策手法との補完性について整理した。そのうえで、EMSの構築にともなう事業者にとってのメリットとデメリットを明らかにした上で、特にデメリットを克服するとともに、特に中小規模の事業者によるEMS構築を拡大していくことを目的として制度化もしくは規格化されている国内外のEMSについて調査分析をした。さらに、EMS構築促進に資する政策的な誘導策について、国内外で実施されている具体的な事例をもとに整理した。とりわけ、規制上の優遇措置とEMSとを組み合わせることの法的・理論的正当性について検証することを目的に、その前段としてEMSの有効性に関するイギリスにおける実証研究の成果等について検討した。
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