• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

雇用差別の禁止と契約自由の原則の関係についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 17730039
研究機関神戸大学

研究代表者

櫻庭 涼子  神戸大学, 法学研究科, 助教授 (20362808)

キーワード雇用差別
研究概要

今年度は、アメリカの雇用差別禁止法制を中心に、契約自由の原則との関係という観点から研究を行った。アメリカで初めて包括的な雇用差別禁止法制を導入したニューヨーク州の立法資料と、初期に年齢差別禁止規制を導入したマサチューセッツ州の立法資料を、現地に赴いて収集し、精査したところ、契約自由の原則との関係としての議論はみあたらなかったものの、人種差別等の禁止はむしろ自由や民主主義の理念のもとに要請されると考えられていたことが明らかになった。また、アメリカの学説においても同様に、人種差別等の禁止は、自由の理念によって基礎づけられると議論されていることが分かった。
他方で、同じアメリカの雇用差別禁止法制の中でも、年齢差別禁止の法規制は、違った系譜のものと把握しうることが、立法資料を分析することにより明らかになってきた。例えば初期の州法の一つである、1937年に制定されたマサチューセッツ州法の立法資料は、年齢差別禁止を高齢者の生活保障の手段の一つとして導入すべしとしており、自由の理念から求められるものとは位置づけていなかった。そのため、年齢差別禁止法については、法の適用対象者は限定される傾向にあり、また例外が広く認められるなど、一般的な差別法理と比較しての特質があることが明らかとなった。
当初予定していた日本の雇用差別禁止規制およびEC指令についての分析は、時間の制約から、十分に遂行することができなかったため、次年度に取り組むこととしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 年齢差別禁止の差別法理としての特質-比較法的考察から得られるもの-(5完)2005

    • 著者名/発表者名
      櫻庭涼子
    • 雑誌名

      法学協会雑誌 122巻9号

      ページ: 1-69

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi