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2005 年度 実績報告書

法律関係を構成する諸要素間の法的結合に関する理論的分析に向けた横断的考察

研究課題

研究課題/領域番号 17730065
研究機関名古屋大学

研究代表者

岡本 裕樹  名古屋大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (90372523)

キーワード法的結合 / 相殺予約 / 契約の目的 / 契約解除 / 定期行為 / 民法542条 / 複合契約
研究概要

本研究は、法律関係を構成する諸要素に何らかの法的な結合関係が承認される状況において、そうした法的結合関係を正当化する理論的基礎の解明を最終的な目的として、様々な個別事例における法的結合関係に関わる議論の理論的分析を行うものである。本年度においては、まず、いわゆる相殺予約の第三者効について研究を進めた。同一内容の対立する債権が存在するとき、これらの債権に係る当事者は相殺による簡易決済への期待を有する。また、こうした期待を確実なものとならしめるために、相殺予約が締結されることがある。こうした相殺の期待が第三者、とりわけ一方当事者の第三債権者に対する関係でも保護されうるかという問題が長らく議論されてきている。この議論の中で大きな重要性を有しているのが最高裁大法廷昭和45年判決であり、同判決の判決文からは法定相殺につきいわゆる無制限説が採用され、相殺予約の第三者効も無制約に承認されたものとの理解ができる。これに対し、学説の中では法定相殺につきいわゆる相殺適状説や制限説Iが、相殺予約につきいわゆる合理的期待説が有力である。もっとも、この問題に関しては、最大判昭和45年により一般的な表現が用いられたことが原因で、同判決以降は抽象的なレベルでの議論に隔たってきた。しかし、同判決以前においては事案毎の被差押債権の性質に着目した分析も行われており、また同判決は当時の特殊な時代背景の下でのみ理解されうるものであろう。相殺予約による対立債権の牽連性の強化を理論的に分析するためには、そうしたよりきめ細やかな検討が必要であろう。現在のところこうした基本的視座に基づき、本問題について論文を作成している。この他、いわゆる複合契約の解除に関する契約の目的の重要性との関連において、契約の解除を巡り契約の目的を規律内容に取り込んでいる民法542条の沿革を研究すべく、同条の母法であるスイス法の調査も始めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 『契約は他人を害さない』ことの今日的意義2006

    • 著者名/発表者名
      岡本 裕樹
    • 雑誌名

      私法 68号(掲載予定)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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