本年度は、これまでに収集した文献や資料の整理を進めるとともに、これらの文献・資料を用いて、インドの民主主義や選挙政治、政党政治に関する研究発表を行った。また、2月18日から24日にかけてインドのニューデリーに出張し、調査を行った。 平成17年度に日本南アジア学会に投稿した学術論文(前年度報告書を参照)については、同学会による査読結果にしたがって、最新の研究動向なども踏まえて2度にわたって加筆・修正を行った。その結果、『南アジア研究』第18号(平成18年10月発行)において、「The Transition of Party System in India : From Polarized Pluralism to Moderate Pluralism(邦題:インドにおける政党システムの変化)」として発表することができた。また、10月7日には、日本比較政治学会第9回研究大会(立教大学)の分科会C「民主主義の質を問う」において、「インドにおける民主主義の現状」という題目で研究発表を行った。本報告は、現在のインドにおける選挙政治と政党政治について、民主主義の安定性という観点から論じたものである。 2月18日〜24日のニューデリー出張では、財務省や外務省などの政府機関とインド工業連盟(CIIインドの2大経済団体のひとつ)を訪問し、主に官僚や経済界の立場から見た、インドの民主主義・選挙政治・政党政治について聞き取りを行なった。また、我が国の笹川平和財団とニューデリーの著名な研究機関である「インド国際経済関係研究所(ICRIER)」によって開催されたセミナーに出席し、同研究所に所属する研究員との間で、インドの民主主義などについてディスカッションを行った。
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