本年度は、3年間の研究期間の最終年度にあたることもあり、これまでに収集した文献や資料の整理を引き続き行うともに、これらの文献・資料を用いた学会発表と論文執筆に重点を移した。 本年度は2件の学会発表を行った。日本比較政治学会・自由企画4「一党優位政党制の形成要因と崩壊要因」(同志社大学、2007年6月)では、「インドにおける一党優位政党制」という題目で発表を行った。これは、インドの政党政治における変化とその要因について論じたものである。また、日本南アジア学会・全体シンポジウム「南アジア・日本・世界:グローバル化と南アジア認識の変貌」(大阪市立大学、2007年10月)では、「インド政治の現状と研究上の課題」という題目で発表を行った。これは、インドの国内政治における変化と、そのような変化をふまえた研究上の課題について論じたものである。 また、3年間の研究成果の暫定的なとりまとめとして、「インドにおける政治システムの安定性に関する考察」(近藤則夫 編『インド民主主義体制のゆくえ:多党化と経済成長の時代における安定性と限界』日本貿易振興機構アジア経済研究所、2008年3月)という題目の論文を発表した。さらに、研究成果の一部は、広瀬崇子 他 編著『現代インドを知るための60章』(明石書店、2007年10月)にも収録(第7章・第8章・第11章・第34章)された。 この研究課題名による研究期間は本年度までであるが、来年度以降、これらの研究成果をとりまとめて、書籍としての出版を目指す予定である。
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