平成17年度の研究は、以下の2点を明らかにすることを目的として行われた。 第1に、行政立法の制度が政策形成に関わるアクターの行動およびアクター間の関係をどのように規定するのかという問題について、理論的に明らかにすることである。 第2に、さまざまな制度変化をはさんだ戦前と戦後で、行政立法の動向がどのような変化をしているかについて実証的に明らかにすることである。 以上の点を明らかにするために、以下の作業を行った。 1.立法過程および行政立法に関する先行文献のサーヴェイを行い、議論の整理を試みた。 2.官僚制および政官関係に関する先行文献のサーヴェイを行い、議論の整理を行い、理論的分析を試みた。 3.明治憲法制定以降の立法の動向を調査し、データベース化した。 これらのうち1、2の作業は、実証分析を行う際の理論的視座を与えるものであり、実証分析のための基礎作業と位置づけられる。また、3の作業によって、明治期以降のわが国の政策過程における行政立法の持つ重要性が確認された。次年度は平成17年度の研究を基にして、行政立法が現実の政策過程においてどのように作用したか、という点を実証的に明らかにすることも射程に入れながら分析を進める。
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