研究概要 |
計画内容に沿って、研究対象に関する史資料の収集・整理と、日米両国政府の間で行われた安全保障に関する協議の過程を明らかにする作業を行った。史資料に関しては、米英豪の公文書の収集・整理を中心に行った。アメリカの公文書に関しては、公開されている公文書資料の調査・収集作業を、ナショナル・アーカイブス(メリーランド州)において行った。これに関しては、RG59などを中心としてあたり、収集した各シリーズおよび各ボックスに入っている重要文書の分類と整理を行った。そのほか、英豪の関連公文書(Foreign Office Files for Japan and the Far East, Files of Department of External Affairs)の整理を進めた。なおこれらについては、引き続き次年度も継続して行う。 以上の公文書の収集・整理と並行して、日米両国政府の間で実施された安全保障に関する協議の内容についてまとめていった。佐藤政権期に関して、まず、佐藤政権が成立した1964年11月から佐藤・ジョンソン会談が実施された1967年11月までを検討した。(1)沖縄返還問題、(2)日本の役割分担の問題、(3)在日米軍問題などを中心的な問題の側面として捉え、整理の済んだ公文書資料などを用いて、これらをめぐる日米両国政府の協議・交渉の内容をまとめた。そのうえで、日本国内で米軍問題に対する関心がより高まった、1968年の国内政治の過程を検討した。 次年度は、引き続き1968年中の日米安全保障体制およびこれに関連する国内政治の動態をまとめると共に、1969年以降の時期に関する史資料の収集とその展開過程を明らかにする作業を進める。
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