平成17年度は研究を進める上での基礎的な作業を行った。具体的には、以下のとおりである。 *資料収集 当該研究は、1899年に成立した、いわゆる「日本人法」の成立過程の解明を主たる目的としている。関連資料の収集のため、平成17年度は国内外へ資料の所蔵調査のための調査旅行を行った。 国内では国立国会図書館、京都大学東南アジア研究所を主な訪問先として、オランダ領東インドの司法関係資料を収集した。これにより、邦語文献による当時のオランダ領東インドに関する司法制度の概要を把握することができた。しかし、『日本人法』に関する適切な邦語文献資料を見つけることができず、今後の所蔵調査対象となっている。 国外では、オランダ国立ライデン大学付属の研究所を中心に、公文書館などを訪ね、当時の立法過程に関する資料の調査及び収集を行ってきた。当初国外への調査旅行は一度を予定していたが、十分な日程を確保することができなかったこと。さらに対象となる資料の所蔵調査に予想よりも日数を要してしまったことから、再度訪問を行うこととなった。ここでは、オランダ語資料による司法制度関連資料と日本人法の議会資料を収拾することができた。平成18年度はオランダの旧植民地であったインドネシアを訪問先として関連資料の調査を行う予定である。 *資料整理 収集した資料の一部をデジタル・ベースに保管することで利用の便宜を図ることを目的に作業を進めた。未整理の資料が多く残されており、来年度も継続的に作業する必要がある。
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