昨年の調査を踏まえて、本年は追加の現地調査を行いつつ、現在までに蓄積した調査から得られた結果をまとめて出版するように努めた。 現地調査に関しては、2007年3月には初めて北京において中国人研究者をインタビューすることができ、また昨年に引き続いて行ったワシントンDCでの現地調査を行った。昨年比較的余裕を持ってワシントンDCおよびソウルで調査をしていたため、本年は短期の滞在であったがほぼ予定通りの現地調査が行えた。また、これによって、当初目標としていた米・韓・中および東京における調査を終えることができ、多角的な面から課題を分析する土台を作ることができたと考える。 出版に関しては、本研究の核心部分である日韓における米軍再編とその日韓関係に与える影響については今後論文にまとめる作業を残したが、その前提となる北朝鮮、および韓国の外交政策に関する2論文をアメリカおよび韓国の学会誌(審査付き)で発表することができた(以下10を参照)。さらに現在は、東アジアの安全保障システムの変化に関する論文と、米韓同盟と同盟の安全保障ジレンマに関する論文を日本及びアメリカの学会誌に投稿中である。 今後の課題は、前述した本研究の核心部分に相当する日米韓の三角関係に関する論文をまとめていく作業が残されている。韓国では本年末には大統領選挙が予定されており、可能であれば新大統領が韓国で誕生するまでに、日韓関係に関する政策的含意も含んだ研究を発表したいと考えてる。
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