研究概要 |
石田潤一郎氏との共同論文"Misperception Driven Chaos and its Welfare"の修正版を学術雑誌Journal of Economic Dynamics and Controlに再提出した.その際,レフェリーの指示に従いながら,主に以下の(1)から(3)の点を改善した.(1)修正前の論文で,ある与えられた不確実性を表すパラメータ値に関して,カオス的経済状態の一種の厚生分析が可能であることを示したが,その結果を特定のパラメータ値の近傍についても,ある条件化で,不確実性パラメータとともに厚生指標が連続的に変化するという意味で拡張が可能であることを示した.すなわち,元の論文に頑健性に関する結果を付加した.(2)ある条件化で産出量の時間平均を一種の厚生指標とみなせるという結果を導いた.(3)不確実性を減少させる政策,例えば政府による情報開示,は上記の意味で厚生指標を上昇させるという結果は,必ずしも成り立たないということを例示した.
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