研究課題
本研究は、応用一般均衡モデル等のマクロモデルを用いて不確実性がマクロ経済に与える影響を分析することを目的とする。そのために、(1)世界経済を描写する応用一般均衡モデル構築のために、GTAPデータベースを元にあらたなデータベースの基礎部分を構築した。これと平行して、(2)応用一般均衡モデルの構造や適用事例に関するとりまとめを行い、運輸政策研究所主催の「公開セミナー:経済均衡モデルによる公共事業評価-地域の変化を測る-」(2005年9月13日)で口頭報告(2件)し、また、その内容を再構成して運輸政策研究8(3)に論文を掲載した。一方、(3)地震災害等のリスクマネジメントのために応用一般均衡モデルを利用するという観点から、神戸大学経済経営研究所・QOL・RIEBセミナー(2006年1月30日)と政策評価の総合研究・研究会(2006年3月4日)で研究報告を行った。応用一般均衡モデル以外のマクロモデルを用いた研究については、(4)空間的部分均衡モデルを用いた電力市場分析を行い、電力自由化等によって電気の需給が地域的に変動した場合に、地域間の送電網に与える負荷について吟味した。その成果は、The 5th International Symposium on Operations Research and Its Applicationsで学会報告され、また、実際の政策分析にも利用されて、内閣府「公共料金分野における規制影響分析ガイドライン中間報告」に掲載されたり、資源エネルギー庁のWGで結果が利用されたりした。そのほか、同内容は電力中央研究所、(独)経済産業研究所における研究会(2件)、で口頭報告された。今後は、上記研究成果のさらなる改良と公開促進に努める一方で、作成したデータベースを元に、不確実性を考慮した応用一般均衡モデルを実際に構築し、シミュレーション分析を行うことを目指す。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
proceedings of the 5th International Symposium on Operations Research and Its Applications
ページ: 92-107
運輸政策研究 8(3)
ページ: 74-75
公共料金分野における規制影響分析ガイドライン中間報告(電力ワーキンググループ報告書),(内閣府)