平成18年度は、前年度に研究した「チリの水道事業の民営化政策」において、水道事業の民営化が、コンセッション方式にシフトした点に注目し、チリにおけるコンセッション方式による民営化の経緯を調査した。チリにおいてコンセッション方式が採用されたのは、1990年代半ばの高速道路の民営化からであり、チリ国内の都市間高速、都市高速の各有料道路がコンセッションを通じてどのように民営化されていったかを調査し、その成果の一部を平成18年10月28日神戸大学で行われたラテン・アメリカ政経学会第43回全国大会において、「チリにおけるコンセッション方式による民営化について」という題目で報告した。 この報告に関する討論をもとに、論文「チリのコンセッション方式による民営化政策」を執筆中であり、平成19年度前半に公表を予定している。このため、平成19年3月にアジア経済研究所、神戸大学において資料収集を行っている。また、コンセッションに対する近年の評価を調査するため、平成18年6月〜平成19年3月まで、チリの日刊経済誌「ディアリオ・フィナンシエロ」を購入し、参考資料としている。 なお、コンセッション方式の研究の発端となった「チリの水道事業民営化」については、その成果の一部を以下の論文「1990年代チリの民営化政策とバチェレ新政権の展望」『ラテンアメリカレポート』第23巻第1号(アジア経済研究所)として平成18年5月に公表した。
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