本年度の研究は、これまでのEU、オランダとデンマークの地球温暖化防止政策や産業部門での政策に関する統計データ・資料の収集・整理を行い、それらの現状と問題点を整理することが課題である。 本年度の研究は次の3つに分けて実施された。(1)地球温暖化防止政策に関連する全般的かつ基礎的な資料や文献を収集・整理した。(2)EUの欧州気候変動プログラムや欧州排出量取引制度などの地球温暖化防止政策や、オランダとデンマークの環境協定・炭素税・補助金・排出量取引などに関連する資料や文献を収集・整理した。そして、国際的な気候政策動向を把握するために、国連気候変動枠組み条約第1回京都議定書会合(モントリオール)へ参加し、国際交渉とサイドイベント(気候政策に関するワークショップ)に参加した(12月に実施)(3)政府と産業界が締結したオランダの「エネルギー効率性に関する長期協定」と「省エネルギーに関するベンチマーク協定」、デンマークの省エネルギーに関する環境協定を中心に温暖化防止・省エネルギー政策の概要と歴史的な経緯を分析し、その特徴を把握することに努めた。そして、オランダとデンマークの政府担当者、大学・研究所の研究者、環境NGO担当者から政策の実態、政策研究の到達状況、方法論などについてヒアリング調査を行った(9月に実施)。(4)これらの研究成果の中間的なとりまとめ報告を研究会などで発表し、適宜コメントやアドバイスを受けた。
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