研究課題
昨年度に集中的に行った救貧税記録の整理を継続して行った。それをベースに、商工業者人名録、教会税記録、フリーメン登録簿、各種議事録(市会、道路舗装委員会、教区会、ボランタリー・アソシエーション)、各種リスト(ボランタリ・アソシエーション会費、債券引受リストなど)を加え、可能な限り多くの住民の情報を入れ、18世紀後半に関するデータベース作りはほぼ完成した。また、19世紀前半に関しては、18世紀後半と同様の作業を継続して行っている。18世紀の都市社会の構成は階層構造になっていたことは従来から指摘されているが、その実態が正確な数値で表されることはなかった。したがって、今回の研究で、救貧税担税額を指標にした個人の資産をもとに、都市全体における富の分布や階層間格差を示せたことには大きな意義がある。また、(比較的社会的混交が進んでいた社交や文化的な側面ではなく、)もっとも参入の制約が大きいといわれる都市行政においても、18世紀末のイギリス都市社会では社会の上層から下層に至る様々な職業につく多様な人々の参加が見られたことも証明した。このことにより、近年の議論における、フリーメンのもつ意義の過小評価、納税行為のもつ意義の過大評価を指摘できたことも意義がある。一方、都市エリートたちの間で残されている日記や手紙の整理も進めてきた。昨夏はノーフォーク・レコード・オフィスに所蔵されているハモンド・コレクションの手紙3000通の整理を行った。利用できそうな手紙1000通にしぼり、それをデジカメで撮影し、タイプ打ち作業を行っている。手紙のsenderから、ハモンド氏の大まかなネットワークを描き出すところまでは修了したが、さらに詳しく手紙の内容を分析し、ネットワークを調査するところは課題として残された。
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専修大学人文科孝研究所月報 234号
ページ: 25-55
Who ran the Citie's? : City Elites and Urban Power Structures in Europe and North America, 1750-1940
ページ: 3-20