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2007 年度 実績報告書

企業社会戦略のダイナミズム -企業社会責任(CSR)の経営学的実証研究-

研究課題

研究課題/領域番号 17730222
研究機関北海道大学

研究代表者

谷口 勇仁  北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60313970)

キーワード企業社会的責任 / 社会戦略 / 企業不祥事
研究概要

本年度の研究概要は以下の2点である.第1に,昨年度の検討を基に,2000年6月に発生した雪印乳業集団食中毒事件に関する分析を行った.その中で特に,大樹工場における汚染脱脂粉乳出荷の原因についての分析を基に,企業不祥事の解釈の多様性について検討を行い,論文として出版した.具体的には,雪印乳業集団食中毒事件の従来の解釈の整理を行った上で,作業現揚における「もったない」という考え方(作業パラダイム)と,殺菌・検査工程における手続きの神話化(どのような状況においても手続きが絶対的に通用すると思われるようになること)によって事故が引き起こされるという新たな解釈を提示した.同時に,大樹工場における汚染脱脂粉乳出荷の事例についての詳細な記述を行い,論文として出版した.
第2に,昨年度に引き続き,企業がソーシャルイシュー(social issue,社会から期待されている社会的課題事項)に対応する際の問題点について調査・分析を行った.具体的には,(1)2000年6月に発生した雪印乳業集団食中毒事件,(2)2002年1月に発生した雪印食品牛肉偽装事件という2つの事件に注目し,各事件後に雪印がどのような対応策を講じたのかについて,ヒアリング調査を行い,得られた情報をもとに検討を行った.2つの対応策の比較検討の結果,食中毒事件後の雪印は,イシューマイオピア(社会的課題事項近視眼)に陥っている可能性が明らかになった.このケース分析を基に,2007年10月に組織学会の自由論題において報告を行った.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 雪印乳業集団食中毒事件の新たな解釈-汚染脱脂粉乳製造・出荷プロセスの分析-2007

    • 著者名/発表者名
      谷口勇仁・小山嚴也
    • 雑誌名

      組織科学 41(1)

      ページ: 77-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 雪印乳業大樹工場における汚染脱脂粉乳出荷プロセス2007

    • 著者名/発表者名
      小山嚴也・谷口勇仁
    • 雑誌名

      経済系(関東学院大学) 232

      ページ: 65-79

  • [学会発表] 企業におけるソーシャルイシューの認識-雪印はなぜ2回の不祥事を引き起こしたのか-2007

    • 著者名/発表者名
      小山嚴也・谷口勇仁
    • 学会等名
      組織学会
    • 発表場所
      九州大学(福岡)
    • 年月日
      2007-10-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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