研究課題
本研究の目的は、「企業間協働の機能的特徴を理論的かつ実証的に明らかにすること」である。そのため、当該年度では企業間協働のファクターを探索するため、自動車メーカーや電機メーカー、部品メーカーに聞き取り調査を実施した。その結果、不確実性の高い製品開発活動においては信頼が求められることが明らかになった。特に企業間信頼の中でも、関係性をベースにした関係的信頼の重要性が確認された。また、部品調達においては電子商取引(EDI)の役割が増している。EDIにおける協働については、日米自動車部品産業における「EDIの採用と統合」をテーマに論文を発表した。取引コストアプローチと資源依存アプローチに基づいたいくつかの仮説を構築し、日米の部品企業から得たデータを用いて検証した。われわれの研究結果は以下の通りである。(1)資源依存アプローチはEDIの採用においてより説明力があるが、取引コストアプローチはEDIの統合においてより説明力がある。(2)取引コストアプローチは米国のコンテクストと適合しているが、資源依存アプローチは日本のコンテクストと適合している。(3)米国においてEDIの採用と統合はEDIの成果に正の影響を与えており、われわれの分析フレームワークが米国においてより高い妥当性をもつことを示唆している。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Organizational Computing and Electronic Commerce Vol.18, No.1
ページ: 1-33