本研究は、日本企業におけるストック・オプション制度の有効性を検証することを目的としている。具体的には、個別企業のミクロ・データを用いて、ストック・オプションに関する計量分析を試みる。さらに、これまで比較的大規模な上場企業を対象に行われてきた研究成果を踏まえ、その対象を新興市場上場企業・未公開企業にも拡張して同制度を総合的な視点から検証する。 本年度は3年間の研究期間の初年度であるため、分析視角の精緻化と基礎的データの作成を中心とする作業を行った。 まず、同制度に関する基礎的な資料・データ・調査報告書を広く収集した。さらに、Journal of Finance、Journal of Banking and Financeなど国内外の主要学術誌のレビューを通して分析視角の精緻化に努めた。 また、実証的研究の側面からは、調査対象となる企業リストを作成するとともに、分析指標作成のためのデータ収集を行った。 今後は、これらの成果を踏まえて、仮説の精緻化やより詳細なデータ収集行い、日本企業におけるストック・オプション制度の有効性について研究を深めていく予定である。
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