本年度は、前年度より引き続きストック・オプションに関する既存の研究文献を対象に、その整理・検討をおこなった。また、同制度に関する基礎的な資料・データ・調査報告書の収集をおこなった。 事例研究の視点からは、ストック・オプション制度を活用している未公開企業(通信産業)複数社について実態調査を実施した。 また、上期にこれまでの成果を踏まえ、本格的な実証研究を開始した。まず実証分析のためのストック・オプション関連のデータを収集する作業をおこなった。 実証分析では、ストック・オプション導入前後における株価及び経営パフォーマンスの推移を検証した。対象期間は1990年代後半から2005年までである。 また着目すべき問題として、企業の成長段階におけるストック・オプション制度の有効性を検証した。具体的には、設立年数を基準に同制度を活用する企業を分割し、その効果の比較を行った。 さらに、下期では最新のストック・オプションに関する文献・資料の追加的な収集と整理、実証分析のための課仏式・財務データの収集・整理、実証分析のための仮説の設定及びデータの解析をおこなった。 これらについて研究者から有意義なコメント、種々のサジェスチョンをもらい、企業の各成長段階において最適なインセンティブ・メカニズムとはどのようなものであるべきかという点に留意しつつ、追加的なストック・オプション関連のデータの収集・整理・分析とその検討を実施した。
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