生産部門から販売部門への知識移転のプロセスについて、自動車製造業と自動車販売業を対象に分析を行い、以下の点があきらかになった。 (1)生産部門での知識確立から、販売部門への移転まで数十年のギャップがあること (2)環境条件および社内の人的ネットワークが移転の契機となっていること (3)販売部門の中でも移転しやすい部分から選択的に移転していること (4)特に、販売部門での組織や人工物のシステムのあり方が移転のプロセスに影響を与えていること 日本の優れた生産部門のシステムや知識のうち、移転可能なものについては他部門に移転することは、非常に重要だと考えられる。本研究は、その移転促進への示唆を与えるものである。
|