研究概要 |
本年度は,3年度にわたる研究の準備段階として,文献研究を中心に以下のような研究を実施した。 1.ビジネスモデルに関する文献研究 文献研究の対象は,本研究の分析枠組みである「ビジネスモデル」に関する先行研究である。タイトル,アブストラクト等に「business model(s)」と表記のある先行研究をプロクエスト等の論文データベース,並びにインターネットでのビジネスモデルに関する研究者のウェブサイト等を精査し,レビューすべき文献を抽出した。レビューにあたっては,同領域に関心のある教員,大学院生と共に,適宜研究会を開催し,ビジネスモデルの概念の精緻化,構成y要素の特定化につとめた。 2.知識集約的(型)ビジネスに関する文献研究 文献研究の対象は,本研究の分析対象となる「知識集約的(型)ビジネス(コンサルティング・ビジネス)」に関する先行研究である。タイトル,アブストラクト等に「knowledge-intensive」,「consulting firm(s)」と表記のある先行研究を,上記と同様の手法を用いて抽出した。レビューにあたっては,既に筆者がこれまで研究を蓄積し,論文も上梓していることから,これまでの研究成果を再整理するという形で実施した。注目したのは,コンサルティング・ビジネスにおける競争優位,価値創造の論理について,伝統的な製造業におけるビジネスとはどのように異なっているのかという点であった。 3.知識集約型ビジネスについてのビジネスモデル分析 以上の文献研究の成果から,暫定的ではあるが,ビジネスモデルの分析フレームワークを提示し,実際のコンサルティング・ファーム2社を対象に比較事例研究を行った。研究成果は,多国籍企業研究会西部部会(2005年9月17日),並びに事例研究でご協力を賜ったマーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社にて報告を行い,今後の研究に向けての意見の交換,議論を行った。この成果については,既に論文として上梓している。
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