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2005 年度 実績報告書

コンテンツ産業における組織戦略に関する研究-映画産業とホテル産業を対象に-

研究課題

研究課題/領域番号 17730246
研究機関青山学院大学

研究代表者

山下 勝  青山学院大学, 経営学部, 助教授 (80348458)

キーワード経営学
研究概要

本年度の研究実績は映画産業に関連するものが多かった。これまで調査を続けてきた映画製作プロダクションの組織戦略についての研究では、(1)大手映画会社から独立しており、(2)下請けではなく、著作権を有した映画製作を行いながら、(3)10年以上もの間経営されてきた、というこの産業においてはベンチマークとなるような稀有の3つのプロダクション(テレビマンユニオン、ロボット、アルタミラピクチャーズ)に焦点を当て、インタビューデータの分析を行った。そこから得られたのは、これらのプロダクションが長期的に競争力を持ち得た理由として、以下のように幾つかの要素を有していたことである。すなわち、映画製作以外に安定的な収益源を有していること、大手配給会社に依存しすぎないように独自の配給経路を確保しようと努力していること、そして新卒で従業員を採用し、クリエイターとして自社で人材育成を行っているということである。とくに、最後の人材育成は容易に他社に模倣されない競争優位性を確立するための要となっていることが見つかった。
コンテンツ産業全体についての考察を行った研究では、1996年から2004年までの9年間において、興行収入において上位を占める映画作品がどのような製作者によって製作されているのかについて、その割合を時系列で示すことを試みた。その結果明らかとなったのは、TV放送局の大きな影響力であった。放送局と大手映画会社の提携作品の割合は1996年次は30%にも満たなかったのに対し、その割合は年々増加しつづけ、最新データである2004年には約70%にものぼっている。これらのことより、伝統的な大手映画会社による映画産業の支配はほぼ終焉しており、他業種の大手メディア企業(放送局の他、広告代理店や出版社)の支配がより鮮明になってきていることがうかがい知れる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 競争力を生み出すプロデューサー力とは?2005

    • 著者名/発表者名
      山下 勝, 御影 雅良, 太田良一
    • 雑誌名

      赤門マネジメント・レビュー 4・6

      ページ: 261-280

  • [雑誌論文] アーキテクチャ革新における企業家の意図:映画製作にみるパートナーシップの形成2005

    • 著者名/発表者名
      山田 仁一郎, 山下 勝
    • 雑誌名

      The Institute of Economic Research Working Paper Series No.105

  • [雑誌論文] Organizational Strategy of Japanese Film Production Firms : Incubating Knowledge and Social Capital in Human Resources2005

    • 著者名/発表者名
      Masaru Yamashita, Jin-ichiro Yamada
    • 雑誌名

      The Institute of Economic Research Working Paper Series No.106

  • [雑誌論文] 日本の映画産業の「ダークサイド」:企画志向の座組戦略と信頼志向のチーム戦略の間で2005

    • 著者名/発表者名
      山下 勝
    • 雑誌名

      一橋ビジネスレビュー 53・5

      ページ: 22-35

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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