平成17年度の主な研究実績は以下のとおりです。 1)現地調査とデータベース構築: 台湾(台北・台中)とタイ(チェンマイ・バンコク)におけるアニメの海賊版製品の消費者購買に関する情報を収集し、台湾とタイの比較分析にむけデータベースの構築作業を行った。中国の現地調査は平成17年度を予定していたが、反日運動等情勢不安により渡航を見送り次年度以降に実施予定とした。 ●台湾(台中県)の現地調査、期間:平成17年11月7日〜11日 海賊版製品に対する若者の購買意思決定を調査した。台中県の東海大学に滞在し、アンケート調査を実施した。本学大学院生および東海大学大学生の協力を得て中国語アンケートを作成し、海賊版製品の購入経験のある学生600人を対象にアンケート用紙の配布と回収作業を行った。また、台中駅前電気街、東海大学周辺商店街等で海賊版製品の販売店を視察しヒアリング調査を行った。 ●台湾(台北市)・タイ(チェンマイ県、バンコク)の現地調査、期間:平成18年2月15日〜3月1日 台北市、チェンマイ県、バンコクにおける日本アニメの海賊版製品の購入意思決定を調査した。台北市内電気街(光華商場)、台北駅前ITショッピングモールなどで販売店視察および情報収集を行った。チェンマイ県では県内最大のITショッピング・センターを訪問し、海賊版製品販売店店員に対してヒアリング調査を行った。バンコクでは国立チュラロンコン大学図書館での資料調査、および市内繁華街、国内最大規模のITショッピングセンターなどで販売店視察やヒアリング調査を行った。また、タイの大学生600人を対象にアンケート調査を実施した。 2)アンケート結果の分析作業: 現地大学の協力を得て実施した台湾、タイの海賊版日本アニメ製品の購買行動調査の回答を入力し、データベース化した。現在、購買意思決定に関する統計解析を実施するなど検証作業を進めている。 3)海賊版製品の消費者購買意思決定に関する理論的研究: 上記の現地調査より、都市部の大学生の多くはマンガ、アニメ等の正規・非正規デジタルコンテンツをネット上でダウンロードしたり購買することがわかった。そこで、オンラインショッピングの購買意思決定プロセスについて理論的検討を行い、"A Conceptual Model for Customer Satisfaction in the Website"『産業総合研究』第14号(2006年3月)に発表した。
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