1)データベース構築: 中国とフィリピンの2カ国における日本アニメの海賊版ソフトの流通状況および消費者購買行動に関する文献調査を行った。 2)現地調査 ●フィリピン(マニラ市周辺)での現地調査 マニラ市周辺の市場や商業施設(Quiapo、Disisoria、Baclaran、Marikina Riverbanksなど)を訪問し、海賊版販売状況の視察と販売店店員に対する聞き取り調査を行った。また、行政機関(Department of Trade and Industry Intellectual Property Office、Optical Media Board、Philippine Tourism Authority)にて海賊版関連省庁職員にインタビューを実施したほか、フィリピン大学とAteneo de Manila大学の付属図書館にて文献調査を行った。また、現地研究者の協力を得て海賊版購買履歴・意思決定について地元大学生を対象とするアンケート調査(約600人)を実施した。 ●中国(上海市)での現地調査 上海市の繁華街や主要観光地(南京路、徐匯区、福州路など)に立ち並ぶ露天商やショッピングセンターを訪問し、海賊版販売状況を視察した。また、ソフトウェア専門店店員に対して、海賊版ソフトの取り扱い状況や仕入経路について聞き取り調査を行った。さらに、JETRO上海センター知識産権部にて日本アニメの海賊版ソフトの流通実態についてインタビューした。JETRO上海センター資料室などで資料収集を行った。 3)平成18年度の研究成果: フィリピンにおける日本アニメの海賊版ソフトの購買行動調査の結果をデータベース化し、購買意思決定モデルの検証作業を行った。この成果は、「フィリピンの海賊版ソフトウェア市場と消費者購買行動」『産業総合研究』第15号(2007年3月)に発表した。現在、中国調査の結果を整理し分析作業を進めている。
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