R&D活動の各性質に対応して、1)必要な情報的相互作用やそれが行われる場の適切なあり方はどのようなものになるか、そして、2)そこでの情報的相互作用をうまく機能させる、ないし阻害しないためのマネジメント・コントロール・システムはどのようなものか、といった点について考察していくために、R&D活動の種類と情報的相互作用や場の要素について分類整理を行った。 R&D活動の分類としては、どのフェーズにあたるのか(もっとも一般的なわけ方は基礎研究、応用研究、製品開発)、また、どういった性質を有した技術なのか(企業内に蓄積してきた技術との関係など)、現有事業との関係はどのような関係か(新規事業か否か、新規事業の一形態と考えうる破壊的イノベーションにあたるか)、といった違いが、必要な情報的相互作用や場の性質に関わってくると考えた。必要な情報的相互作用や場の性質については、「情報的相互作用によって明らかにしていくべき点は何か、つまり場のアジェンダは何か」「どのようなメンバーと情報的相互作用を行うのか」「情報的相互作用を行うメンバー間の関係は、プロジェクト・チームのような形で固定的なのか、或いは従業員が自主的に相互作用の相手に働きかけるといった流動的な形をとるのか」「相互作用を行う場と既存の組織との関係をどうするか」といった要素を考えた。そして、それら必要な情報的相互作用や場の性質の違いにより、適した資源配分の仕組み、情報的相互作用の結果を評価する仕組み、情報の流れを起こすインセンティブの仕組み等がどのようなものになってくるかを整理した。
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