本研究は、知識創造化社会のもとで、特許権、従業員のスキル、ブランド等の知的資本の公正価値会計はいかにあるべきかを理論的かつ実証的な側面から体系的に調査・研究することを目的とするものである。 本年度は、本研究の初年度であるため、まず「知的資本の公正価値会計」に関する、内外の先行研究に関する文献レビューを行い、次いで、中国を主たる対象として、知的資本ならびに人的資本のマネジメントの実態と評価方法について、海外での予備調査の実施した。 具体的には、第2年度以降の日本企業を対象とした本格的な実態調査・実証研究に備えて、中国に海外出張し、長春、天津、北京、海口の製薬企業を訪問して、聞き取り調査を実施した。各製薬企業を訪問するため、吉林大学(Prof.Li)、天津社会科学院(Prof.Ma)、および北京大学(Prof.Ye)を拠点として、リーディング研究者との意見交換を実施するとともに、第2年度における共同プロジェクトの準備を行った。長春において「吉林天薬科技股分有限公司」と「長春達興薬業股分有限公司」、天津において「天津愛勒易医薬材料有限公司」と「天津薬物研究院」、北京において「北京大学世佳研究中心」と「中国医薬研究開発中心有限公司」、海口において「海南中和薬業股分有限公司」を訪問し、聞き取り調査をした。 第2年度では、日本企業を対象として海外研究者との国際的共同研究を推進し、本研究の深化・拡充化を図ることにしたい。
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