研究概要 |
第一に、市民風車運動・事業を展開している立地点に対して、聞き取り調査を実施した。具体的には、秋田市、北海道石狩市、青森県鰺ヶ沢町における市民風車の運営する事業体(NPO)と、地域住民への聞き取り調査を実施した。その結果、市民風車運動・事業を支える地域的条件やNPO側の戦略的な課題が浮き彫りになった。さらに、研究当初に企画していた風車立地点における住民に対する調査票調査の実施よりも、地域住民への聞き取り調査によってより詳細な住民意識、行動を調査する必要性を見いだした。 第二に、石狩市の市民風車への出資者に対する調査票調査を実施した。これまで実施している、北海道浜頓別町、青森県鰺ヶ沢町、秋田県天王町の調査結果、および市民風車事業と同じスキームで実施している長野県飯田市における太陽光発電への市民出資の調査結果と比較し、分析した。その結果、市民風車運動・事業の認知度の上昇や、自然再生エネルギー事業の中でも、出資者の風車に対する優位性などが新たな知見として確認された。 研究業績としては、前年度報告した国際学会および国内学会の内容を踏まえた論文(Energy Policy Volume 35,Issue 5)がある。また、第一と第二の調査結果を踏まえた論文、書籍が来年度、刊行される予定となっている。
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