本研究は、昨年度と同様の目的からなされている。すなわち、身体が加工可能なものとして提示され、しかも加工に対する許容度が大きくなった現代社会において、主体がどのようなものとなっていくのかというモデルを提示することが目的である。 本年度は、(1)海外における美容整形手術経験者へのインタビュー、(2)日本における美容整形手術経験者へのインタビューを中心に行う予定であった。 昨年度すでに韓国とドイツで美容整形外科医と美容整形経験者へのインタビューを行っているので、今年度はその成果を参考にしながら、さらに台湾で美容整形外科医と美容整形経験者へのインタビュー調査を行った((1))。現在テープ起こし中である。また日本においても美容整形経験者へのインタビューを行った((2))。こちらはすでにテープ起こしを終えて、分析中である。したがって、本年度に予定していた調査研究は十分達成できたと考えられる。これらのインタビューデータはまとまりしだい論文にする予定である。 それ以外に、昨年に引き続き整形や美容に関する文献・資料の収集、整形に関するメディア情報の収集も行った。特に、過去の一般的な雑誌における美容整形記事を重点的に複写して集めた。 また、本年度は、収集した文献・資料の一部を基にした業績として、裏面「11.研究発表」に記載した以外に学会発表も行った。第79回日本社会学会大会(2006年10月28日、於:立命館大学)にて「科学化する日常生活(3)-化粧品広告にみる女性の身体美-」という個人発表である。
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