平成19年度に行った研究活動は、主に次の3点である。 第1に、前々年度および前年度に引き続いて、ホームレス問題や貧困・社会的排除論に関する先行研究成果のレビューを行った。本研究課題に関する文献・資料は、急速な勢いで量を増してきており、効率的にサーベイし、重点をふまえたレビューを行うためにも、全国レベルの学会や私信・メール等を通じて、研究論文の著者や関係者との意見・情報交換なども積極的に進めてきた。学内外の研究会等においても先行研究のレビュー報告や意見交換を行った。 第2に、本研究課題に関する実態把握を目的として、共同研究者らと前年度に兵庫県尼崎市で行ったホームレス実態調査の分析を行い、その結果の分析および報告書執筆の作業に携わった(大阪府立大学社会福祉調査研究会編『ホームレスの実態に関する全国調査及び尼崎市悉皆調査報告書』2008年)。 第3に、以上に関する研究作業を発表する作業であり、雑誌論文や共著を発表した。 以上のように、平成19年度の研究活動は、先行研究のレビューや実態分析を中心として進めてきた。3年間の交付期間を通して、先行研究や実態調査データなど、非常に多くの豊富な研究材料を得ることができたため、引き続き分析・研究作業を進めていくことが課題となるとともに、当面の筆者の研究活動の深化を図ることのできる環境が整備されたといえる。
|