研究概要 |
日本における高齢者の「閉じこもり」についての文献学的研究を行い,その一部をまとめたものを日本公衆衛生雑誌に投稿し採択された. 文献学的研究において,調査対象高齢者の身体の虚弱状況,用いた「閉じこもり」定義を考慮したうえでも,各先行研究間で「閉じこもり」高齢者の割合にばらつきが見られることが明らかになった.全体的に見て都市的な地域よりも農村的な地域で「閉じこもり」が多いという傾向がみられ,「閉じこもり」の発生と地域要因の関連について検討する必要性が確認された. 地域要因を構成する一つの因子として,生活関連施設整備密度の低さ,それにともなう利用する外出先への距離の長さが考えられる.外出の目的施設までの距離と施設利用状況の関連について,GISを用いて分析・検討を行った.その結果,保健センター等の自治体の施設への利用の有無と施設と居住地間の距離は,女性でのみ有意な関連が見られた.この分析結果については第19回保健福祉学会学術集会で発表を行った.
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