研究概要 |
老人福祉施設職員の現在の職場を継続するかその意向(職場継続以降)に影響を与える要因を探索するため次のとおり調査を実施した。 2005年11月初旬〜12月末日にかけて近畿地方某県某市に所在地を持つ90の老人福祉施設に勤務する(介護職、看護職、ケアマネージャー、相談職、事務職員等)5195名を対象に、「成長欲求に対する満足度」、「上司との関係に対する満足度」、「同僚との関係に対する満足度」、「利用者との関係に対する満足度」、「利用者の家族との関係に対する満足度」、「待遇に対する満足度」の下位意概念から構成される職業生活の質(Quality of Working Life : QWL)、職場継続意向、仕事以外の生活満足を問う質問項目、そして基本属性を尋ねる質問項目を掲載したアンケート票による職務意識調査を実施した。1899名からの回答があり、回収率は36.6%であった。 回答者の構成は,性別では男性が391名(20.2%)、女性が1517名(78.3%)、不明が29名(1.5%)であった。職種別にみると、介護職が1155名(59.6%)、看護職が199名(10.3%)、ケアマネージャーが155名(8.0%)、相談職が100名(5.2%)、事務職員が113名(5.8%)、そしてその他職種が179名(9.4%)であった。雇用形態別では,常勤が1244名(64.2%)、常勤的非常勤が269名(13.9%)、非常勤が366名(18.9%)、そして不明が58名(3.0%)であった。 QWLを構成する6つの下位概念を独立変数が老人福祉施設介護職員の職場継続意向に影響するか重回帰分析を施し検討したところ、「成長欲求に対する満足度」、「上司との関係に対する満足度」、「同僚との関係に対する満足度」、「利用者との関係に対する満足度」の4つの独立変数が有意に影響していることが明らかになった。
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