本年度は、「国(中央政府)レベルにおける社会福祉政策と居住環境政策の連携・協働に関する研究」として、主として、第2次大戦後における社会福祉政策と居住環境政策に関する史・資料を収集し、その内容を分析した。対象は、研究課題名にあるとおり、高齢者・障害者施策を中心とした。戦後の省庁編成において、社会福祉政策と居住環境政策(住宅政策)の主たる担当は、厚生省(現・厚生労働省)および建設省(現・国土交通省)に分割され展開されることとなった。本研究では、両省における政策動向の分析を通して、中央政府レベルにおける社会福祉政策と居住環境政策の連携・協働の歩みについて検証を試みた。 さらに、戦前・戦後における社会的施策の連続・非連続にも留意する必要があるため、戦前期の社会事業政策と居住環境政策(住宅政策)についても資料収集及び分析を行った。 具体的な研究の概要は、次の通り。 i.主として第2次大戦後の社会福祉政策と居住環境政策の展開過程を、中央政府(国)レベルにおいて検証し、両者の連携・協働の歩みを検証した。 ii.社会福祉政策と居住環境政策が連携・協働に至った背景・要因等を明らかにし、今後の両施策の方向性について検討を加えた。 なお、研究の過程において、戦前・戦後の政策の継続等についての重要性がより明らかになり、さらなる検討が必要であることが判明した。
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