今年度は基本的知見の整理検討フェーズと位置づけ、以下の作業を行った。 ・先行研究のレビュー マスメディア、及びインターネットの利用が社会関係資本に及ぼす影響に関する内外の先行研究を探索し、既存の知見の整理検討を行った。 ・既存データの分析 利用許諾を受けたアーカイブデータ(JEDS2000データ)等を用いて、メディア利用と社会関係資本に関する基本的な分析を行い、仮説の整理検討を行った。 ・データマイニング技法の導入とその基本的検討 変数間の関連が複雑になっている可能性から、また広く社会科学研究に対する応用可能性を検討するため、データマイニング専門のソフトウェアであるClementine(SPSS Inc.)を導入し、特にニューラルネットワークモデリングを中心としてその手法の探求(特に伝統的な線型モデルとの比較)と、因果関係の解釈法について既存データを用いながらその習熟と探索的検討を行った。 ・マクロデータとの接合 先行研究の探索の中で、地域レベルのマクロ変数による"spill-over"による効果(の統制)に関心を持つようになり、国民生活局(編)の都道府県別社会関係資本指標や、民力データなどにまとめられた各種地域指標に関する検討と、そのモデルへの組み込みに取り組んだ。
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