研究課題
1.前年度のインタビュー調査の析とその報告1/エスニック・アイデンティティ形成の関連要因:前年度に実施したインタビュー調査の結果について、前年度に引き続き分析を行った。これにより、外国人の名乗りの形態が、自身のエスニック・アイデンティティの様相を反映することが示された。更に、名乗りの規定要因として、日本社会や日本人の態度など社会的要因が存在することが見出され、本研究の立場であるエスニック・アイデンティティの社会的構築性や相互主観性が示唆された(この成果は、19th Biennial Meetings of the ISSBDにて報告。)。2.前年度のインタビュー調査の分析とその報告2/外国人の宗教とエスニック・アイデンティティの関係:前年度のインタビューデータに基づき、日本に住む外国人が持つ宗教を"人間関係の紐帯"として機能するものとして捉え、そのエスニック・アイデンティティへの影響のあり方を検討した(この成果は、「『異文化接触における宗教 -日本で暮らす外国人のインタビューから-』東京理科大学紀要 教養篇39巻」として報告した。)。3.中長期日本在住の外国人を対象としたインタビューの実施:本年度は韓国、中国の各国出身者(24名)を対象にインタビュー調査を実施した。本年度の調査は、昨年度の調査に比べて、次のような特徴を持つ。(1)対象者を中長期日本滞在の外国人に絞った。(2)前年度のインタビューで明らかにされた知見を踏まえ、よりインテンシブな質問項目を提示した(主に、エスニック・アイデンティティの形成における相互主観性、ふるさと性、名のりの形態、宗教、子育て観に関する質問)。4.日本発達心理学会第18回大会にてラウンドテーブル企画:本研究の立場であるエスニック・アイデンティティの社会的構築性や相互主観性について、他の研究者との議論を深める場として、「文化問移動に伴うエスニック・アイデンティティの形成と変容」というテーマでラウンドテーブルを企画した。
すべて 2008 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
東京理科大学紀要 教養篇 39
ページ: 209-224
Paper presented at the 19th Biennial Meetings of the International Society for the Study of Behavioural Development