異なる感覚モダリティで呈示された情報の処理に関するこれまでの研究を調べたところ、視覚情報と聴覚情報が呈示される空間的位置関係、処理の負担などによって、異なる感覚モダリティで呈示された情報の処理に影響があることが複数の研究によって示されている。そこで、異なる感覚モダリティ間の情報処理の影響についてさらに詳細に検討するため、視覚情報と聴覚情報の呈示タイミングを操作し、視覚刺激の検出課題における反応時間を測定する。さらに、呈示された刺激の主観的な感覚の大きさに影響があるかどうかを検討するため、呈示された視覚刺激の明るさについても評定を行う。 実験の概要 視覚刺激の明るさ(3種類)と視覚刺激の種類(聴覚刺激呈示前、聴覚刺激と同時呈示、聴覚刺激呈示後、聴覚刺激呈示無し)の被験者内2要因計画。 ヘッドホンを用いて、アルファベットを聴覚呈示し、それを追唱しながら、コンピュータ画面中央に呈示される視覚刺激の検出を行い、反応時間を測定する。その後の評定画面で、呈示された視覚刺激の明るさを5段階で評定する。 現在までの状況 実験に必要な聴覚刺激と視覚刺激の作成、実験用プログラムの作成を終え、データを収集するための実験を行っている。 今後の予定 実験を終了し、視覚情報と聴覚情報の呈示タイミングの違いが、反応時間、主観的に感じられる感覚の大きさについて与える影響について分析する。 さらに触覚についても感覚モダリティ間の情報処理に影響について検討し、感覚モダリティ間の情報処理に関する全体的なメカニズムについて考える。
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