大学間連携システムとイノベーション:知識経済におけるネットワーク戦略の国際比較 本研究は、知識経済とグローバライゼーションを背景に、イノベーション政策のマルチ・レベル・ガバナンスの構造を背景として、イノベーション過程における大学機関が果たす役割を明らかにする。特に、大学間の連携、大学と産業、公的機関とのネットワーク戦略を国際比較する。 平成17年度においては、地理的には日本とヨーロッパ連合を中心に、政策レベル、機関戦略についての比較研究を行った。平成17年度前半は、日本の事例を中心に、イノベーション政策の多層化と大学の機関戦略についての考察を行った。また、European University Instituteにおける研究の機会を利用し、ヨーロッパ連合におけるトランスナショナル・レベルにおけるイノベーション政策と高等教育政策についての論考を行った。平成17年度後半は、特に「地域イノベーション政策」と大学の知的資源の活用に焦点を絞り、地域レベル、都市空間におけるイノベーション・プロセス、大学のパートナーシップとネットワークの形成に関して、調査・研究を行った。 研究成果に関しては、2005年11月、マンチェスター・サルフォード大学におけるワークショップで発表をしたほか、2点の学術論文、1点のワーキング・ペーパーとして出版した。 また、OECD主催の会議への参加、イギリスにおける共同研究などを通じて、国際的な情報交換、研究交流を行った。
|