本研究は、進路多様校と呼ばれる高校の生徒を対象として、入学から卒業まで3年間で合計5回の質問紙調査を実施し、一方で各質問紙調査の間の機関にインタビュー調査や観察調査といった方法で質的調査を実施することを試みたMixed Methods Research による総合的な進路選択研究である。この研究により、進路が多様となったといわれる現代の高校にいて生徒たちがどのような要因によって進路選択を行っていくのかをリアルタイムで把握することを目指した。本年度は最終年度であるため、前年度までに実施してきた3回の進路希望調査に対応する調査設計で、第4回の進路希望調査および第5回の進路希望調査を実施した。これに加えてのべ80名程度の生徒インタビューや進路ガイダンス・進路説明会・ロングホームルームの観察調査も実施した。この過程で、物品購入、謝金、印刷、データ入力など、交付申請書の計画に大筋では一致する形で予算を使用した。また、研究成果をまとめ、研究協力者の藤原翔(大阪大学大学院生)・岩田考(桃山学院大学)とともに日本教育社会学会において研究発表を行い、さたにこの発表をベースに桃山学院大学社会学部紀要に論文を執筆した。また研究方法についても小泉・志水編(2007)『実践的研究のすすめ』の中で「混合研究法-mixed methods research-」の章を執筆し、成果を一部活用して報告した。
|